【こんな症例も治りますシリーズ 828】 『 セカンドオピニオン診療: 犬の16歳でも手術はできる ― 断脚手術で生活の質を取り戻した症例 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、犬の右腕に出来た腫瘍です。

■ カサブタの所から出血しています。

 

 

 

犬 ミニチュアピンシャー 16歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 セカンドオピニオン診療で、右前肢の大きなしこりからの出血で困っている 】 という主訴での来院でした。

 

 

 

◆◆ 来院の経緯

 

 

■ 飼い主様のお話では、

 

 

・ しこりは 数年前から存在。

・ 最初は小さかったため 他院で外科切除した。

・ 病理組織検査の結果は『 軟部組織肉腫 』でした。

 

 

## 軟部組織肉腫は、再発しやすい腫瘍で完全に取りきるのが難しい場合がある腫瘍です。

 

 

■ 実際この子も、これまで 他院で何度か切除手術 を行っていましたが、徐々に大きくなりこれ以上の局所切除が難しい状態となり、当院へ相談に来られました。

 

 

 

 

 

◆◆ 来院時の状態

 

 

■ 診察時には、

 

・ 右前肢のしこりは かなり大きく増大した。

・ 腫瘤から出血も認める状態。

・ 右前肢は、痛みや違和感のため歩きづらそうな様子でした。

 

 

■ 腫瘍の大きさや性質を考えると、
局所切除ではコントロールが難しい可能性が高く、断脚手術(前肢切断) が最も現実的な治療選択と考えられました。

 

 

 

 

 

◆◆ 飼い主様の心配

 

 

■ ただし、

 

・ 16歳という高齢

・ 足を失ったら歩けなくなるのでは

 

という大きな不安がありました。

 

 

 

■ これは多くの飼い主様が感じる当然の心配です。

 

 

 

 

 

◆◆ 高齢でも麻酔は可能?

 

 

よく誤解されるのですが、

 

高齢 = 麻酔ができない

わけではありません。

 

 

 

 

◆◆ 大切なのは 年齢そのものではなく体の内部の状態 です。

 

 

■ そのため手術前に

 

・ 心臓の評価

・ 血液検査

などをしっかり確認し、全身状態をみて、麻酔リスクを十分評価した上で手術を計画 しました。

 

 

 

 

◆◆ 三本足で歩けるの?

 

 

■ もちろん

 

100%必ず歩ける と断言することはできません。

 

 

 

■ しかし、

 

犬は人よりも 三本足への適応能力が高い動物 です。

 

 

 

■ これまで当院で経験した
同様の症例のお話をしたり、

 

 

・ リハビリを一緒に頑張りましょう

・ 痛みのない生活を取り戻しましょう

というお話をさせていただき、飼い主様も手術を決断されました。

 

 

 

 

◆◆ 手術と術後経過

 

 

■ 手術は 無事成功して終了。

 

 

■ そして驚いたことにこの子はとても強く、

 

 

■ 手術翌日には三本足で立つ姿 を見せてくれました。

 

 

■ さらに数日後には、三本足で上手に歩くようになりました。

 

 

 

 

 

◆◆ 現在の生活

 

 

■ 無事退院した現在は、お家で三本足で元気に生活しているとの報告をいただいています。

 

■ 出血や痛みに悩まされることもなく、穏やかな日常を取り戻すことができました。

 

■ この症例から伝えたいこと

 

・ 高齢だからといって必ずしも手術ができないわけではない。

 

・ 犬は 三本足でもしっかり生活できる事がある。

 

・ 痛みや出血の原因を取り除くことで生活の質(QOL)は大きく改善することがあります。

 

 

 

獣医師 土屋優希哉

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